2007年、私はコーネル大学ジョンソン経営大学院のイノベーション・スワットチームに参加しました。そのチームは「ビジネス・サイエンス・テクノロジー・イニシアチブ」(クールキッズ=流行にのった生徒の間では「BSTI」と呼ばれています)と呼ばれていました。私たちはコダックと協力して、同じ年齢層である20代前半に魅力的な新しいプロダクトを考えていました。それからの2年間、チームの9人は隔週ごとに集まり、研究や実験を行い、チームは成熟していきました。今でも、最初の日のことを覚えています。私たちは、10年後、15年後の世界の姿を描いたSFの話を書くために集まっていました。それがコダックやイノベーションにどう関係するのか、まったく想像もつきませんでした。ロボットを作るのか?驚いたことに、私たちの物語はおかしな空想話ではありませんでした。というのも私たちは、かなり冷静で現実的でした。

私たちは、SFの話を「動機」、「欲求」、「恐れ」そして「ニーズ」に分解しました。そして、動機の分析結果を作成しました。176のニーズとウォンツの宣言文に俯瞰して、それらと一緒に機能する20の鍵となるものに注目しました。

その注目した鍵となるものの一部をご紹介します。

  • 自分の画像を自分でコントロールしたい。
  • 他人が自分をどう思っているか知りたいのです。(後に悪名高きJuicy Campusで良いアイデアではないと証明されました。)
  • インターンシップや仕事を探すときに、年齢を気にせずに行動したい。
  • 自分のアイデンティティの一面で判断されたり、罰せられるのが怖い。
  • 簡単にアクセスできる不正確なデータ/レポートを最小限に抑えたい。
  • 異なる社会的サークルに属していても、あるサークルのせいで自分が批判されないようにしたい。
  • 人々が何を自分に期待しているのかを知りたい。
  • 異なる社会的グループの間で、自分のアイデンティティが混ざり合ってしまうのは避けたい。

上記のリストにしたニーズを理解するには、2007年というタイミングも理解する必要があります。私たちは、最初から完全にFacebookを利用した最初のクラスのひとつでした。常にステータスの更新をチェックし、人々のプロフィールを紹介し、前夜のパーティーで撮ったありとあらゆる写真をアップロードしていました。最近、赤ちゃんのいる友人の何千枚もの写真をタグをはずさなければならなかったので、当時、実際にどれだけの写真を自分たちが撮っていたのかを思い出すことができました。

コーネル大学に通い始めた頃は頃は、パーティーのたびに撮影用のカメラを持って行っていたのを覚えています。その数ヶ月後には、1.3mgpxのガラケーを使ってほとんどの写真を撮っていました。その後、初代のiPhoneが発売されました。これはゲームチェンジャーでした。毎日、良質なカメラをポケットに入れていましたし、写真はどんどん増えていきました。たくさんの人がiPhoneを使い始めました。一日中、Facebookに私たちはアクセスしていました。メッセージを送ったり、投稿を眺めたり、アップロードしたりしていました。

そして1年後、現実を私たちは目の当たりにしました – インターンシップです。夏の間に仕事にみんな応募していました。採用担当者は、酔っぱらって撮ったFacebookの写真を見ているだろうと思っていました。これは、学校中に広まった都市伝説です。「リーマン・ブラザーズに断られたのは、手にビールを持っていたからだ!」と泣いていた人がいたのです。そこで、セキュリティが強化されました。プロフィールを見られる人の制限をかけ始めたのです。ネット上に投稿する内容にもっと注意を払いました。注意を払わなかったために、キャンパスで泣いている人を見かけることもありました。

これらはすべて、コダックのために行っていたことに関係しています。自分たちのニーズとウォンツを把握した後、仲間にインタビューし、見解を聞きに行きました。仲間のことをもっと知り、共感するために、一人ひとりにインタビューを行いました。似たような結果になりましたが、鍵として注目していたのはオンラインの世界でのアイデンティティ管理、写真によるイメージアップ、コミュニティ管理でした。

重要なニーズが見えてきました。

  • 外部ネットワークと交流する際の社会的「コスト」を減らし、内部サークルに新しい友人を効率的に勧誘するために、外部のネットワークについてできるだけ多くの関連情報を得る必要がある。
  • 自分の関係者へ印象づけるためにに、自分の関係者についてできるだけ多くの関連情報を得る必要がある。
  • 自分のイメージや画像をコントロールできる必要があり、意図している境界線を越えると、回復不能できないほど打ちのめされてしまう。

ニーズを理解した後は、コダックに何ができるかを考えるために、ブレインストームに入りました。私たちは、コダックのチームと時間をかけて話し合い、ミッション、技術、ビジネスを理解しました。それから数ヶ月間、私たちはアイデアを出し、仲間からのフィードバックを受け、それらを改良していきました。そして最終的には、コダック社に向けて、以下のような多くのアイデアを提案しました。

  • 高度なカメラ技術を駆使して、高品質な写真が撮れる携帯電話を作る。
  • 写真をより良く見せるための基本的編集ができるソフトウェアをその携帯電話に、組み込む。
  • 写真にGPSタグを付けて、アルバムへ簡単にアップロードし、友人や個人と共有できるようにする。
  • 写真アルバムとカレンダーイベントを連動させる。

他にも、気分を盛り上げたり、イベントを開催したりすることも含まれていましたが(「Market Driven Innovation」という記事の中で紹介しています)、これらは私がとても鮮明に覚えている核となる要素です。

私たちは、自分たちが思いついたことにとても興奮しました。コダックにとっても自分たちにとっても価値があると思えたからです。私はその最終日に、新プロダクトが出てくるのを待ちながら元気に帰りました。それから数ヶ月が過ぎて何の音沙汰もありませんでした。そのまま何年も経ったある時、連絡してみると、そのアイデアは評価をされていて、新プロダクトに取り組むチームを待っていると聞きました。しかし、数年後、元社員から聞いた話では、当時の経営陣にとっては、携帯電話よりもの技術の方が魅力的だったそうです。

2012年1月のスタートから5年後、コダック社が倒産しました。その2012年1月のスタートから5年後、コダック社が倒産しました。その4カ月後、InstagramはFacebookに10億ドルで買収されました。2013年、コダックは倒産から脱却しました。その2年後、そして私たちの提案から7年後、コダックはスマホを発売しました。でも、誰もおそらく知らないでしょう?

コダックでの仕事から学んだことは、イノベーションを起こそうとコダックの仕事から学んだことは、イノベーションを起こそうとしている多くの企業と仕事をしてきた今でこそ、より意味のあることだと思います。

イノベーションチームがあっても、革新的な企業にはなりません。

イノベーションをビジネスの独立した一部のように扱うと、競争力イノベーションをビジネスの独立した一部のように扱うと、競争力を失います。思いついたアイデアをすぐに実行に移せないのです。合意やリソース、予算を待っていると、動きの速い競合他社に先を越されてしまいます。イノベーションは、すべての製品開発チームに組み込まれていなければなりません。日常的に考え、すぐに行動に移せるようなものでなければなりません。実行力が勝負の10分の9を占めるのです。

いつもやっていることに気を取られてはいけません。

コダック社は、「いつもと同じやり方でやる」というありがちな罠に陥っていた。彼らがカメラやフィルムを強化している間に、市場は携帯電話に向かって突き進んでいました。コダックには、この状況を認識してBSTIのようなプログラムを立ち上げた人たちがいましたが、会社の構造上、現場の人たちが良いアイデアを市場に出せませんでした。

市場のシグナルを認識できないことは、企業を衰退させる大きな要因となります。

お客様は、目を見張るような視点視点を提供してくれます。そのためには、お客様の声に耳を傾けなければなりません。私たちが行った調査では、市場の方向性がかなり鮮明に示されていました。しかし、多くの企業はこのような知見をプロダクト開発のタイムラインに反映させることなく、誰も欲しがらないものを作るという無限ループに陥っています。外に出て視野を広くすれば、視点が変わります。しかし、外に出るのは必ず自分であり、。プロダクトを作っている人や決定権を持っている人が、自分の耳で聞いたほうが力になるのです。

振り返ってみると、私はこのプロジェクトを通して多くのことを学振り返ってみると、このプロジェクトを通して多くのことを学びました。ただ、それに気づくのに時間がかかりました。それは、今日、私が教えている「お客様と話す」「問題を解決するプロダクトを作る」という前提につながっています。このプロジェクトの詳細については、「Market Driven Innovation」という記事を書いていますので、そちらをご覧ください。

引用元

Ignoring Innovation: Lessons from Kodak