プロダクトマネジメントの過去10年を振り返ってみました。長い道のりを歩んできましたが、まだまだ先は長いですね。この記事では私の観察と個人的な経験を紹介します。

すべての企業がこのような変化を経験しているわけではありませんが、概して、前向きに前進してきたと思います。

2014年「プロダクトマネージャーは必要ない、自分で会社を運営できる。

2019年「チーフ・プロダクト・オフィサーを雇うには?いますぐ必要だ。」

創業者たちは、自分たちだけではできないこと、プロダクトマネジメントはキャリアであり、経営陣にとって重要なスキルであることを理解しました。

2011年「メリッサ、スタートアップに入社するなんておかしいよ。そこで何をしようとしているの?プロダクトマネジメントって何?バークレイズに残るべきだったわね。」

2019年「私はプロダクトマネージャーになるために、MBAを取得します。」

プロダクト、特にスタートアップにおけるプロダクトは、今や注目の仕事です。

2014年「プロダクトマネジメントの助けが必要なのではなく、デザインの助けが必要なんだ。とりあえずUXを教えてくれませんか?」

2019年「この仕事をやったことがない800人のプロダクトオーナーがいるんだけど、彼らのトレーニングを手伝ってくれない?」

スクラムではプロダクトオーナーが登場し、新しいプロダクトオーナーが本物のプロダクトマネジメントへの関心を持つようになりました。

2013年「うちの社員はお客様と話すことを許されていません。リスクが高すぎる。訴えられるかもしれません。自分の仕事ぐらいわかっています」

2019年:「だよね、もちろん社員にはお客さんと話してほしいよ。早くオフィスから社員を出して。」

経営者たちは、優れたプロダクトを作るためには、顧客に寄り添うのが重要だと気付くようになりました。

2013年「メリッサ、ここでは試したりはしないんだ。我々のが実際のビジネス。」

2018年「MVP検証のやり方を人に教えてくれませんか?うまく仮説を書くにはどうしたらいいですか?どうやってB2Bで実行するの?」

マネージャーは実験を恐れなくなりました。彼らは実験に価値を見出しました。

2011年「プロダクトはエンジニアリング担当副社長に報告」

2019年「プロダクトはCPOに報告する。」

大企業であってもプロダクトリーダーシップの必要性を感じ始めた。

2011年「ユーザーストーリーとは何ですか?」

2019年「Jiraに正しく良いユーザーストーリーを書くには?」

まだまだ「アウトプット(出力)よりアウトカム(成果)」を突き詰められていませんが、良い方向に向かっています。

2013年「アジャイルってなんだ?私たちがやるべきことのように聞こえるけど。」

2019年「もう一人『アジャイルじゃない』と言ったら、わたしは辞めます。」

私たちは、よく理解しないまま、いくつか、少しやり過ぎてしまいました。やるべきことはあります。

2016年「製品要求仕様書を書くのが得意なプロダクトマネージャーが欲しい。我々はPRD(Product Requirement Document)を必要としている。」

2019年「戦略が得意で、ビジネスゴール実現に貢献できるプロダクトマネージャーが欲しい。どこで見つければいいですか?」

プロダクトマネジメントは仕様書だけではないことに気付き始めました。

2013年「私が言ったからこれを作るべきだ」

2019年「それが正しい方法であると証明するデータはあるのか?」

チームや経営陣はデータに基づいて意思決定を行うようになり、ツールやソフトウェアもそれに追随するようになりました。

では、この先10年はどうなるのでしょうか?
私の予測は以下のとおりです。

戦略とプロダクトマネジメントは、特にSAAS (Software as a service) その他のソフトウェア企業において、より結びき、同義語になるでしょう。この場合、プロダクト戦略=企業戦略となります。より多くの企業がデジタル化するにつれ、これがより強く求められるようになるでしょう。ほとんどの企業は戦略を立てるのが下手で、プロダクトマネージャーはステップアップして、エグゼクティブから活動できる余地を与えられる必要があります。

プロダクト部門のCPOやリーダーシップのポジションは増えていくでしょうが、見合うだけの人材はいません。初めてCPOになる人の中には、CPOへチャレンジすることに興奮しているものの、経験がなく、何が分からないのかも分からない人も多いでしょう。このような初めてのプロダクトリーダーには、この新しいポジションで自分の役割がどのように変わるのかを理解してもらい、成功するためには積極的に学んでもらう必要があるでしょう。この10年の終わりには、今プロダクトを担当している人たちがこれらの役割を担うようになり、優れたプロダクト組織を持つ、非常に興味深く成功しているソフトウェア企業を目にできるでしょう。

プロダクトオペレーション (Product Ops) は、プロダクト組織を拡大するための重要な要素となるでしょう。アジャイルでチーム間の相互作用を把握した後は、ビルドトラップから逃れるために、これらのチームが適切な意思決定を行えるようにする必要があります。また、市場調査やお客様からのフィードバックをチームに伝えるためのサポートインフラも必要になります。

この業界では、学び場を必要とするプロダクトマネージャーが増えてくるでしょう。トレーニングプログラムを企業内に構築し、経験豊富で優秀な人材を採用してコーチングをしてもらう必要があります。次の10年の終わりまでには、現在のプロダクトマネージャーたちがプロダクトリーダーとなり、プロダクト主導の優れた企業の形成に貢献するでしょう。そのためには、しっかりとしたスタートを彼らが切れるようにすることが重要です。

プロダクトマネージャーの役割は、より細分化されていくでしょう。技術系のプロダクトマネージャー、消費者向けのプロダクトマネージャー、社内ツールとB2Bの両方を専門とするプロダクトマネージャーなどです。どのようなタイプのプロダクトマネージャーなのか、また、プロダクトマネージャーをどのように育成するのかを明確にする方法が確立されるでしょう。

あなたはどう予測しますか?何が変わったのか、今後10年で何が変わると思いますか?

訳者補足
この記事が書かれたのは、2019年だが2021年現在、この記事にあるようにプロダクトマネージャーの役割は細分化されている。

引用元

A Decade of Product Management